グループ展「i am an 'object'」
禪フォトギャラリーでは2017年3月10日から4月4日まで、西村多美子、安楽寺えみ、殿村任香、Tokyo Rumando、萬一一、鄭婷による写真展「i am an ‘object’」を開催いたします。本展では、多様な意味を持つ『object』をキーワードとして、異なる社会・文化背景を持つ6名の写真家による作品を紹介し、それぞれの作家の視点を通して、みる者と『object』の関係を探求します。
『object』という言葉には、文脈により異なる様々な意味が内包されています。一般的に、「対象」または「目的」として理解されていますが、同時に、「認識されるもの」、「想像されるもの」、そして「観察されるもの」としても意味しています。文法上では、「行動を受け取る側」として名詞の役割と、「意見の相違を唱えるもの」として動詞の役割を担っています。写真のなかでは、『object』は「被写体」または「物体」として捉えられ、主体またはみる者との分かち得ない相関性を私たちに気づかせるものです。
本展では、主観的な視点で主題を撮る作品、自己探求の過程をとおして自身を客観する作品、観察により対象の像を写し出す作品、身近な被写体を撮ることで現実に対峙した作品、写真家自身が被写体であり主体でもある作品、物体を組み合わせて主題のイメージを創り出す作品などを紹介します。それぞれの見方をとおして、各作品の中の『object』に含まれている意味とその文脈、または、みる者にどのように受け取られるのかを探求します。